タピオカドリンクの人気店「ゴンチャ」。ブームの頃は多くの人で賑わいましたが、2019年以降のブームの落ち着きとコロナ禍で、来店客数が激減しました。しかし、あることをきっかけにV字回復を遂げたといいます。そのワケとは?
【写真で見る】10~20代の女性の認知率90%「ゴンチャ」人気メニュー
「商品からはずした」 タピオカブーム時の1.7倍にV字回復
出水麻衣キャスター:
台湾発祥のお茶専門店ゴンチャの一番人気のメニュー、アイスの「黒糖 烏龍ミルクティー+パール」(タピオカ)のMサイズが670円となっています。
「ゴンチャ」というのは、10代から20代の女性に限ると、認知率が90%の人気のお茶専門店です。
2010年代後半はタピオカブームがあり、2019年には1776万人がゴンチャを訪れていましたが、その後はタピオカブームに陰りが見え、一時客足が遠のいていました。
あることをきっかけにV字回復して、2024年には約3000万人がゴンチャを利用したそうです。
タピオカブーム時(2019年)の1.7倍だということで、V字回復のワケを取材してきました。
東京・秋葉原にあるゴンチャの1番人気は「黒糖烏龍ミルクティー+パール(ICED/M)」(670円)で、タピオカトッピングです。
客
「お茶がすごい美味しいなって思って」
「自分好みのカスタムのドリンクが飲めるところがすごい魅力だと」
タピオカブームの時期より、売上・客数が約2倍になっているといいます。
業績が回復しているワケは…?
ゴンチャ ジャパン 経営企画本部 酒井洵 本部長
「コーヒーも販売していたんですけど、コーヒーを商品からはずして、お茶に集中し、非常に厳選された茶葉を使っています」
毎月新メニュー・組み合わせは約1万通りに
出水キャスター:
人気の秘密は他にもありました。
「ゴンチャ」は2021年に新しい社長が就任し、様々な改革を行いました。その一つが“おしゃべり大歓迎”のお店作りです。
あえて狭い席を作り、席に座ってコミュニケーションが盛り上がるという仕掛けを作りました。2人用ではなくて、1.5人用の席とも呼ばれています。
そして、当時は売っていたコーヒーをメニューからはずしました。その代わり、毎月新しいメニューを投入しています。
「FRESH マンゴー&オレンジ ティーエード」は、阿里山烏龍茶を使った新しいメニューです。お茶とフルーツの味が両方とも引き立つ美味しいものになっているということです。
※7月31日から一部店舗で先行販売(8月7日全国発売)
さらにゴンチャは、カスタマイズがたくさんできるのも楽しさの一つです。
甘さや氷も「ゼロ」「少なめ」「ふつう」「多め」と4つのタイプから選べます。氷は「ゼロ」の場合、80円の追加料金がかかるということです。
トッピングは各80円となっており、「パール」「ミルクフォーム」「ナタデココ」「アロエ」などとなっていて、約1万通りの楽しさがあるということです。
また、期間限定として「ごろごろマンゴー果肉」や「つぶつぶオレンジ果肉」もあって、各120円となっています。
井上貴博キャスター:
私もゴンチャが好きです。甘いものが苦手なので、大体甘さをゼロにして氷少なめ、トッピングをアロエにしたりします。食感も楽しめて、おすすめです。
約24億円の赤字転落も“野菜の国産化”でV字回復
出水キャスター:
V字回復している企業は他にもあります。キーワードは“ローカル”です。
まずは、おなじみの「長崎ちゃんぽん リンガーハット」です。
2009年には約24億円の赤字に転落しましたが、野菜を国産のものに切り替え、「野菜たっぷりちゃんぽん」を発売。
「安心して野菜を食べられる」とお母さんたちから人気になったことで、売り上げが約438億円、店舗数は559と、V字回復しています。
人気の商品「野菜たっぷりちゃんぽん(990円)」は、7種類・480gの野菜が入っています。
※店舗によって価格が異なります
V字回復している企業は、他にもあります。
2006年に日本に初上陸した「クリスピー・クリーム・ドーナツ」です。
2015年には64店舗ありましたが、「日本人にはドーナツが甘すぎる」ということでブームが去り、44店舗に減ってしまいました。
ですが、現在は86店舗と増えています。
V字回復の理由は「商品を日本向けにローカライズした」そうです。
チョコレートの甘さを控えたり、ドーナツを炙ってカリッとした食感が楽しめるオリジナル商品「ブリュレ グレーズド カスタード」などを開発することにより、人気が回復しているということです。
企業のローカライズの努力について、どのように見ていますか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
8月1日からアメリカの関税が下がります。
トランプ大統領が「日本はアメリカの車を買わない」と怒っていますが、アメリカの車は日本向けにローカライズしてくれないですよね。「日本企業がこれだけ頑張っている」ということをトランプ大統領に学んでほしいですね。
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〈プロフィール〉
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
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