連日の猛暑で海の幸や農作物に深刻な影響が出ています。こうした中、週明け9月には1400品目以上の食品や電気代などの値上げが控えていて、この秋の家計の負担はさらに重くなりそうです。
千葉県富津市。関東では珍しいカキの養殖が盛んです。東京湾が育む「江戸前オイスター」。丸々と膨らんだ大きな身が特徴ですが、いま、“ある異変”が起きています。実際に海に出てみると…
新富津漁協 浅倉正信さん
「もうこれ、実が入ってない。口が開いちゃって」
育てたカキの半分近くが死んでいる異常事態に。その原因は…
新富津漁協 浅倉正信さん
「この2、3年かなり海水温が上がっているので、死んでしまうカキも多い」
連日の猛暑です。カキに適した水温は15度から25度とされますが、水温と計ってみると…
記者
「朝の段階でも水温は26度を超えています」
午後には30度を優に超えるため、死んでしまう個体が相次いでいるのです。
新富津漁協 浅倉正信さん
「(冬に向けて)生産量を上げていこうと思ったが、夏の状況がこれだと(増産に)手が回らない。非常に厳しい」
生産量の減少から1個あたり最大50円の値上げに踏み切りました。苦渋の決断です。
猛暑の影響は他にも。こちらの寿司の盛り合わせも直撃を受けています。
新鮮市場 東本郷店 飯田智成 店長
「養殖のブリは特に値段が軒並み上がっている」
天然ブリに比べ1年を通じ価格が安定している養殖のブリも値上がりしているのです。理由はこちらも海水温の上昇。高知県の養殖場では去年以降、死ぬブリが続出。成長が遅れて“小ぶり”になる魚も相次ぎ、1キロ当たりの卸価格が600円から700円値上がりしています。
「お刺身の盛り合わせだって本当は買いたい。もう少し先に延ばそうとかね」
きょう発表された東京の消費者物価は2.5%上昇。魚など生鮮食品は4%あまり上昇しています。
新鮮市場 東本郷店 飯田智成 店長
「全国各地すごく暑かったので、野菜が本当に取れない」
農水省の調査でもトマトやきゅうりなどの価格が猛暑や豪雨の影響で上昇。卵も10か月連続で前年を超える値上がりとなっています。
さらに、来月には“値上げの秋”が到来。9月の値上げの食品は1422品目にのぼり、暑さで消費が増えているアイスクリームや冷凍食品などの価格が上昇します。
加えて、来月から政府の補助金が減ることから、▼電気代は26円から168円、▼ガス代は17円から25円値上げされます。
「来月、明細見るのがちょっと怖い」
止まらない猛暑と値上げ。私たちの暮らしにじわじわと影を落としています。
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