
横浜DeNAベイスターズに入団し、3年ぶりに日本球界復帰を果たした藤浪晋太郎(31)。加入後すでに2軍戦に2度登板し、1回0封(7月26日)、3回0封(7月31日)と好投している。海を渡ってからはマイナー落ちなど苦しい経験もした藤浪。7月18日に行われたDeNAの入団会見後に独占インタビューに応じ、新天地での意気込みと心境を明かした。
【写真を見る】DeNA・藤浪晋太郎「ど真ん中ドーン」で“シンプル”に プロとして「お客さんの見たいものを見せる」
石井大裕TBSアナウンサー:藤浪晋太郎選手、よろしくお願いします。そして、横浜DeNAベイスターズ入団おめでとうございます。
藤浪晋太郎選手:ありがとうございます。
石井アナ:日本に帰ってきて、気持ちの上でわくわくする、楽しみ、いろんな感情があると思いますが、いかがですか。
藤浪選手:意外とアメリカにいる間に、いろんなトレードも経験したりとか、例えばオフもプエルトリコ(ウィンターリーグ)に行ったりとかしたんで、球団を動くことにちょっと耐性がついてしまって、思ったよりフラットに入ってこれているなっていう感じはありますね。
石井アナ:本当に激動の3年でしたよね。
藤浪選手:いろんなところを渡り歩きましたし、いろんな経験をしましたね。
石井アナ:ご自身の中ではどんな時間でしたか。
藤浪選手:全て経験なので。マイナーリーグがしんどいとか、そんなこともありますけど、それも一ついい経験かなと思って過ごしてたので、苦しかったということはないです
ね。
石井アナ:阪神でも長い間結果を出して、メジャーに渡られてだから、我々勝手ながら、「藤浪選手大丈夫かな」とか、心配してる部分があったんです。ご自身の中で意外と楽観的だった?
藤浪選手:マイナーで結果が出なかったりだとか、もちろん悔しいんですけども、そういう環境にいるのも自分自身の選択ですし、日本ではなかなかできない経験なので。これも一つの経験かなと思って過ごしてました。
石井アナ:「マイナーで結果が出なかった」という言葉がありましたけど、ご自身の中で、一番悔しかったシーンを教えていただいてもいいですか。
藤浪選手:去年メッツのマイナーで過ごしていたんですけど、そのときDFA(メジャー40人のロースター枠から外す措置)という40人枠から外れるっていう電話受けたときは、もちろんショックでしたし、今年もリリースされるって言われて、そこから、いろんな球団と話したりする中で、なかなかオファーがなかったり決まらなかったりだとか。そういう時期はやっぱり憂鬱にはなりますかね。
三浦大輔監督との意外な縁
石井アナ:そういう経験を経て、今回この横浜DeNAベイスターズ。他にもいくつかお話があったと思うんですけど、なぜベイスターズにしたかを教えていただいてもいいですか。
藤浪選手:やっぱり熱意ですかね。DeNAさんが一番熱を持って、「藤浪晋太郎が欲しいんだ、うちでプレーしてもらいたいんだ」っていう、熱い言葉もいただきましたし、本当にその熱に、絆されたじゃないですけど。
石井アナ:その熱意の中では、三浦大輔監督ともお話されたりしたんですか。
藤浪選手:三浦さんは、DeNAさんがプレゼンしてくださる中で、ちらっと最後の方にお話をさせていただいたことはありましたね。
石井アナ:印象に残ってる言葉はあったりしますか?
藤浪選手:「もうぜひうちとしては本当に必要だと思ってるから、本気で逆転優勝を狙ってるし、戦力として必要だと思ってるからぜひうちで」っていうことは言っていただきました。
石井アナ:三浦監督は、藤浪選手とも非常に縁があって・・・教えていただいてもいいですか。最初はプロ初勝利?
藤浪選手:初勝利も、三浦さんとの投げ合いだったと思います。初打点、初ヒットも三浦さんですし、オールスターでキャッチボールをしていただいたこともありますね。1年目のオールスターで、タイガースからは(選出されたのが)1人だけで、はぐれてたんで。そのときに三浦さんと岩瀬(仁紀)さん(当時中日)が気遣ってくださって、一緒にキャッチボールをさせてもらったのを覚えてます。
石井アナ:そんな思い出がある中で、めちゃくちゃ縁を感じませんか?
藤浪選手:そうですね、横浜は自分自身の個人的なメモリアルなことも多い球場なので、そういう意味ではすごい縁を感じますね。
石井アナ:(現状チームは3位で、1位が阪神タイガース。ゲーム差は13.5。※8月4日時点)ここから逆転優勝っていうのはどうですか。
藤浪選手:球団の方とお話しさせていただいたんですけど、「本気で逆転優勝を狙ってるから、本気でそのつもりでやってくれ」と。「本気で勝ちにいくチームとしての常勝を目指してるんだ」っていう熱い言葉をいただいたので。その熱量に自分も負けないように、一生懸命プレーしたいなと思います。
石井アナ:メジャーリーグでは、先発を任されたり、中継ぎ、抑えをやったり、いろんなことをやってきた。今このベイスターズではどこを投げたいっていうのはありますか?
藤浪選手:後半からチームに合流することになるんですけれども、その後半の本当に必要とされてるところで投げたいなと思いますね。なんなら必要とあれば、コロコロ先発と中継ぎが変わってもいいぐらいの、本当にチームに貢献したいなっていうのが一番なので。もちろん長いイニングを投げられれば、それに越したことはないですけど。でも本当に必要とされてるところで貢献できるようにしたいなと思っています。
石井アナ:私は勝手ながら、先発へのこだわりがあるんじゃないかなって思ってたんですけど・・・
藤浪選手:もちろんあるんですけど、でもやっぱりチームに貢献することが、それよりも一番上に来るかなっていうところですね。
目指すピッチングは「ど真ん中ドーン」
石井アナ:やはり藤浪晋太郎っていうピッチャーに、我々が魅力を感じる部分では、スピードのあるストレート。やっぱりここが軸になるんじゃないかなって思うんですが、今まで7色の変化球だとかいろんなことをトライされて、いまどういったピッチングをしていきたいですか。
藤浪選手:もういたってシンプルに。どうしても自分の中で難しく考えがちな癖があるので。余計なことをマウンド上で考えますし、頭を使いすぎるところがあるので、もっと野生的に動物的に、“ど真ん中ドーン”ぐらいの感じでシンプルにプレーできたらいいなと思います。
石井アナ:頭を使いすぎるっていうのは、どういうシチュエーションで考えちゃうんですか?
藤浪選手:自分のフォームのことを考えたりだとか、そうなるとやっぱりどんどんどんどん悪い方向に行くので。もっとそこに投げるとか、本当にシンプルな方にできるだけフォーカスしていきたいなと考えてます。
石井アナ:確かに技術的なこととかがよぎると・・・
藤浪選手:自分自身の方に思考が向くと良くないなというのは感じてますね。最終目標はバッターを抑えることなので、そこにどれだけ意識を向けるか。シンプルになって、状況も整理しつつ、バッターと勝負できるかっていうのは、メンタルスキルだと思うので。DeNAもそういうサポートをたくさんされてるって言ってましたし、勉強しながら、よりよくシンプルに投げていきたいなと思ってます。
石井アナ:でもやっぱりシンプルな160キロっていうのは見たい。阪神タイガース3年目のキャンプのときも、お話聞いてるときに「僕は別にスピード競争してるわけじゃないんだ」と。だけど、やっぱりファンの皆さんは見たい部分がある。ここについてはいかがでしょう。
藤浪選手:スピードは、ついてくるものだと思いますけど、一つの武器でもあると思います。やっぱり160キロ近いボールってゾーンに投げるだけで、ガクッと打率も下がりますし、そういう意味では一つの武器なので。プロ野球って一つの興行であり、ショーであると思うので、お客さんの見たいものを見せるっていうのは、プロ野球選手の仕事の側面ではあると思いますし。力んで160キロを出しに行くんだってことはしないですけど、よりそういう速球で魅了できればいいなとは思ってます。
石井アナ:先ほどおっしゃられた野生的な感覚で、「真ん中ドーン」っていうことですよね。
藤浪選手:そうですね、力勝負をより多くできればいいなと。見応えのある勝負をたくさんできればいいなと思ってます。
石井アナ:あとはちょっと気になるのがやっぱりボールだとか、日本のものにまた戻る。この部分に関してはいかがですか。
藤浪選手:ここ数日NPB球を投げてましたけど、全然違うなと思いますし、そこへのアジャストは必要かなと思いますね。
石井アナ:やっぱり感触が?
藤浪選手:そうですね、滑りにくいっていう意味では、すごくありがたいんですけど。MLB球ってサラサラしている感覚があるんで、山が低かったりだとかあるんですけど。自分の中では、NPB球の方がちょっと変化球が曲がりにくかったりする感触があるので、そういう意味ではそれを曲げようとしたりとかっていう意識が出てこないようにしないとなっていうのは感じてます。
石井アナ:あと、NPBのバッターたちもこの3年間で、変わってきてるんですね。メジャーにいたときはご覧になってたんですか。
藤浪選手:毎日じゃないですけど、結果とかダイジェストとか、ざっくりしたものですけど、見てました。
石井アナ:その中で、ご自身が誰と対戦したいとか、この選手はこういう配球でとか・・・何か考えてる部分はありますか?
藤浪選手:対戦したいと思うのは、阪神タイガースの佐藤輝明とか。今年すごく成績がいい(両リーグトップの27本塁打、68打点。打率は.2822※8月4日時点)ですし、スター性のある選手なので。いい勝負ができたらいいなとかは思ったりしますね。
石井アナ:今シーズン、藤浪選手がご自身の中で目標にしていることを聞かせていただいてもいいですか。
藤浪選手:いかにシンプルに投げられるか、シンプルにストライクゾーンにアタックしていけるか、ストライクゾーンをどれだけ支配できるかだと思うので。それにひたすら集中して、プレーできればいいなと思ってます。
メジャーリーグ再挑戦へは「もちろんなくはないですけど・・・」
石井アナ:藤浪選手は大谷翔平選手、鈴木誠也選手と同学年。彼らの今シーズンの活躍、素晴らしいものもありますけども。ご覧になってどのように感じていらっしゃいますか?
藤浪選手:すごいなっていう感想しか出てこないですね。
石井アナ:でもやっぱりメジャーリーグでトップで活躍してるのっていうのは、当然刺激に?
藤浪選手:本当にレベルの高い舞台ですし、世界最高峰の舞台なので、そこで長い年数、活躍してるっていうのは本当にすごいことだと思います。
石井アナ:だからそういった意味では藤浪選手がまたメジャーに、戻るんだっていう思いがあるのか、そういった部分を伺いたいんですけども。
藤浪選手:そうですね、もちろんなくはないですけど。今はまずDeNAさんに入らせてもらったので。DeNAでチームに貢献することしか今は考えてないので、まずはそこに集中したいなと思ってます。
石井アナ:そこでの優勝、日本一っていうとこですかね。
藤浪選手:そうですね。
石井アナ:期待してます。最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願い致します。
藤浪選手:本気で優勝を狙っていると聞いてますし、自分もそのつもりなので、少しでもチームに貢献できるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。
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