
いまや生活になくてはならない存在のスマートフォン。
長時間の使用が続くと、片方の瞳が中央に寄ってしまう『スマホ内斜視』になる可能性が・・・
子どもを中心に増加しているという『スマホ内斜視』。普段からできる予防と対策を紹介します。
【写真を見る】スマホやゲーム機を長時間近くで…子どもの“スマホ内斜視”が増加 対策は?【ひるおび】
若年層に増加『スマホ内斜視』
『スマホ内斜視』と呼ばれる「後天共同性内斜視」。
正面を見ていても片方の瞳が中央に寄ってしまう状態で、物が二重に見えるなど、視覚に影響もあります。
CS眼科クリニックの宇井牧子院長によると、昔は受診者が年に1、2人というまれな病気だったものが、ここ10年で増えてきている状況です。
クリニックではコロナ禍を経て子どもの相談が約2倍に増えているといいます。
原因として考えられるのはスマホの普及やタブレット学習で、子どものインターネットの利用時間が増えていることです。
6月、日本弱視斜視学会などが『スマホ内斜視』についての提言を発表。
スマホやゲーム機など、長時間近い距離で見続けることに警鐘を鳴らしています。
こども家庭庁の調査では、一日の平均的なインターネット利用時間は、以下のようになっています。
小学生(10歳以上)⇒約3時間44分
中学生⇒約5時間2分
高校生⇒約6時間19分
CS眼科クリニック 宇井牧子院長:
本と違って、タブレットと目の距離はとても近いことが分かっています。近くを見ることで目が「寄り目」のポジションになりますので、それで目が内側に寄ったまま固定してしまう。本来は遠くを見るときに目が(左右に)開かないといけないんですけれども、それが開かなくなって内斜視になるのではないかとされています。
スマホカメラで自分でチェック
宇井院長によると、『スマホ内斜視』はスマホのカメラでチェックすることができます。
【1】スマホなどで、フラッシュをオンにして顔を正面から撮影
【2】撮った写真で、フラッシュの反射光が黒目の中心にあるかどうかを確認する
内斜視の場合、光を捉えきれずに反射光が黒目の中心からずれてしまうということです。
3つの予防法
「若年者の後天共同性内斜視に対する提言」には3つの予防法が載っています。
(1)30cm以上の距離をとり、30分に1回30秒以上休憩する
(2)2歳未満は控える。2~5歳は短時間に
(3)「遠くの物が二重に見える」など異常を感じたら眼科へ
CS眼科クリニック 宇井牧子院長:
A4の縦の長さぐらいなんですけれども、30cmは確保していただきたいです。
コメンテーター 関根麻里:
テレビはどうですか?
CS眼科クリニック 宇井牧子院長:
テレビは画面が大きいので、30cmよりもっと離れて見るのでそこまで問題にはならないと思います。
また宇井院長は、メガネ・コンタクトを作っておくことや、30分に一回ほど定期的に遠くを見る習慣をつけることも対策として挙げています。
(ひるおび 2025年7月29日放送より)
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<プロフィール>
宇井牧子氏
CS眼科クリニック院長
専門は小児眼科・斜視など
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