
花火大会やお祭りなど、人の集まる場所に出かける機会の多いこの季節。
人が多いところで注意が必要なのが”密集型熱中症”。
”密集型熱中症”にならないために、どのような対策が必要なのでしょうか。
【写真を見る】「夏イベント」での“密集型熱中症”に注意 楽しい思い出を残すための対策は?【ひるおび】
人混みで危険な”密集型熱中症”
”密集型熱中症”とは、人が密集し風通しが悪くなることで、体から放出される熱や汗が蒸発しにくくなったり、呼気によって湿度が上昇することで起こる熱中症のことです。
注意が必要な場所は、駅のホーム・大きな交差点・夏のイベントなど。
大規模イベント終了後の最寄り駅周辺で、暑さ指数が1.0℃上昇したという環境省のデータもあり、注意が必要です。
通常屋外では、風が人の間を抜けて熱気や汗を蒸発させるため、湿度が低下します。
密集している場所では、風が人の間を抜けないので熱気や汗が蒸発しにくく、湿度が上昇します。
いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に話を聞きました。
伊藤博道院長:
人と人との距離が非常に近い状態になれば、格段に湿度も上がりますし、温度も上がります。
更に、人が緊張したり興奮したりすると、汗も増えますし吐息の中の水分量も多くなります。こういったことによって局所的な暑さ指数は高くなっているはずなんです。
コメンテーター 白井智子:
私も、万博で(熱中症に)なりかけたのか、なったのか分からないんですが、耳が半分聞こえなくなって。
あそこの場合は大屋根リングの下が巨大な日陰で風通しもいいのでしばらく休んでいました。
避難場所も考えておかないといけないなって思いました。
コメンテーター 上地雄輔:
屋外のスポーツ観戦も行ったりするんですけど、そうするとトイレに行く機会ってみんな同じじゃないですか。
トイレに行くと室内なんですよ。屋外から日陰に行こうとしたときにトイレに行く人たちがすごく並んでいて、そこにまた日陰を求めている人たちがいっぱい集まるから、そこが熱気ムンムンで。小さい子たちがぽっぽっぽってなっちゃって倒れちゃう人たちも結構いました。
夏祭りも”密集型熱中症”リスク
人が集まる夏祭りでも”密集型熱中症”に注意が必要です。
「ひるおび」では、7月23日~26日に開催された神楽坂まつりを取材し、サーモカメラで気温と湿度を計測しました。
人の入りがまだ多くない午後5時
気温35℃ 湿度58%
人通りが増えた午後6時
気温34℃ 湿度73%
日も暮れて暗くなった午後7時
気温33℃ 湿度75%
お祭り終了1時間前の午後8時
気温32℃ 湿度65%
午後6時、午後7時の湿度が通常より高くなっています。
気象予報士 森朗氏:
普通、気温と湿度はシーソーの関係で、気温が下がってくると湿度が上がってくるのが当然なんです。
午後6時の気温に対して、湿度60%台ぐらいだったら分かるんですけど、70%台というのは普通じゃない。
(ここまで湿度が高いのは)気温の変化だけではない別の要因があるだろうなと。
祭り&花火大会での熱中症対策
伊藤博道院長によると、夏のイベントで注意が必要な行動はー
▽場所取りのために炎天下にいる
▽アルコールの摂りすぎ(利尿作用があるため脱水を招く)
▽トイレに並びたくないから水分補給を控える
≪イベントに行く際の対策≫
▽涼しい服装・ハンディファンなどの冷却グッズを準備する
▽水分・塩分補給
▽前日から睡眠や休養をたっぷりととる
伊藤博道院長:
トイレを控えることは基本的にリスクが高いので回避する。
トイレの場所をちゃんと把握して、非常に困難だと思う場合はリスクだと認識して早めに帰ることが大切です。
トイレの場所を調べるのには「トイレ情報共有マップくん」のようなアプリを利用するのも効果的です。
気象予報士の森郎氏によると、雨雲レーダーでの情報収集もおすすめです。
気象予報士 森朗氏:
雷雨の予測にもなるんですが、雨雲が近づいてくると急に湿度が上がったりするんです。
雨雲を見ながら、近づいてきたから、なるべく早く体を涼ませるなど対策をとっていただきたいですね。
楽しい夏のイベントで”密集型熱中症”にならないために、対策を忘れずに行いましょう。
(ひるおび 2025年7月25日放送より)
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<プロフィール>
伊藤博道氏
いとう王子神谷内科外科クリニック院長
これまで多数のコロナ患者を診療
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