ロシア・カムチャツカ半島付近で発生した地震。その津波は太平洋を挟んだアメリカ・カリフォルニア州にも到達したことがわかりました。(7月30日「news23」の放送より)
6mの津波か ロシア国営メディアが報道 地震後に火山噴火も
ドローンが撮影したカムチャツカ半島南部の島の様子。津波が押し寄せ、沿岸部の広い範囲が水に浸かってしまっています。
別の映像からは、津波で白い建物が流されているのが確認できます。
撮影者(SHOTのテレグラムより)
「これはひどいな。コンテナが流されている。市街地の方に進んでいく。11時50分と言われていたけど、11時20分に来たね」
ロシア国営のタス通信は、ロシア科学アカデミー海洋学研究所の話として、カムチャツカ地方と千島列島の各地で5〜6mの津波が目視で観測されたと報じました。
暗闇を照らす、突然の光。噴火した火山から溶岩が流れ出ている様子です。
ロシア科学アカデミー地球物理学サービスのカムチャツカ支部によりますと、今回の地震のあと、カムチャツカ半島東部にあるクルチェフスコイ火山が噴火したということです。
「揺れが7分以上続いた」とも伝えられている今回の地震。建物にも被害が出ていています。
空港では、天井の一部が崩落。
撮影者(SHOTのテレグラムより)
「みなさん、地震の後、空港の中庭に避難させられました」
建物の一部でしょうか、瓦礫が散乱しています。ロシアメディアによりますと、この空港ではけが人が出ているということです。
幼稚園だという黄色い建物は、剥がれるように壁が崩落しています。
男性
「第15幼稚園で外壁の一部が崩落しました。幸い被害者はいません。子どもはいませんでしたが、崩壊しています」
カリフォルニア・ハワイ 1m超の津波観測 各地で渋滞「パニック状態」
津波は、震源から遠く離れたアメリカでも。カリフォルニア州で1.1mの津波を観測。さらに、人気の観光地・ハワイでは…
監視員
「全員ビーチから避難してください。監視員は全員、午後5時に退避します」
ハワイ・ホノルルの街中では津波への警戒を促すサイレンが響き渡り、いたるところで高台に向かおうとする車の渋滞ができました。
ハワイ在住 佐藤史子さん
「空港の向こうに住んでる友達によると、普通25分で帰れるところが1時間10分かかったって言っている。ちょっとパニック状態です」
太平洋津波警報センターによりますと、カウアイ島で日本時間午後2時半すぎに90cmの第一波を観測。その後、マウイ島で約1m74cmの津波が観測されたということです。
街からは人が消え、ショッピングセンターではほぼ全ての店舗が閉店したということです。
太平洋津波警報センターは「峠は越えた」として、今後、数時間で津波警報を解除できるとの見通しを示しています。
気象庁「津波を起こすような地震が発生する可能性高い」
上村彩子キャスター:
カムチャツカ半島は、周りにプレートがたくさんある場所です。7月20日にマグニチュード7.4の地震、そして30日、マグニチュード8.8の地震が発生しました。
気象庁は、「この規模の地震が発生した場所では、地震が起こりやすくなっている。今回みたいな津波を起こすような地震が発生する可能性は高い」と発表しています。
藤森祥平キャスター:
構造上プレートが幾重にも重なり合うところですから、この辺りは地震の発生の確率が高いということでしょうか?
TBS解説委員(災害担当) 福島隆史:
そうですね。特に太平洋プレートが、オホーツクプレートの下に潜り込んでる状況というのは、日本ととてもよく似ています。
日本も、日本列島の東側で、太平洋プレートが陸のプレートの下に潜り込んでいるという意味では、似たような構図で、つまり地震が起きやすい地形にあるということが言えます。
ハワイなど離れた場所で高い津波 なぜ?
藤森キャスター:
今回の地震は、日本だけではなくさまざまな場所で津波を観測しました。どんなことがわかりますか?
TBS解説委員(災害担当) 福島隆史:
今回一番高い津波が観測されたのは、岩手・久慈港でしたが、距離的に震源に近いはずの北海道・根室市の方が津波の高さが低いです。
一方、かなり距離の離れたハワイで高い津波が観測されています。物理学の法則に基づく、「距離が遠くなるほどエネルギーは減っていく」という考えと矛盾します。
今回の地震は、プレート境界に沿って断層が大きくずれ動いたと考えられます。カムチャツカ半島に沿ってプレートがずれ動いたとすると、カムチャツカ半島に対して直交方向にあるハワイへ、高い津波が向かいやすいと考えられます。むしろカムチャツカ半島の脇に位置する日本へは、それほど高い津波が来ていない可能性があります。
もちろん日本にも高い津波が来ます。海底の山脈にぶつかって反射する津波も来たようなので、複雑な要因が混じって高い津波が来ていると言えます。
藤森キャスター:
遠いところで起きた地震による津波だから、あまり影響しないという単純なことではないということですね。
TBS解説委員(災害担当) 福島隆史:
今回の地震による日本の最大震度は「震度2」にもかかわらず、津波が来ることに驚いた人も多いと思います。(日本での)揺れと津波は直接的には結びつかないということも押さえておきたいポイントです。
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