アメリカのトランプ大統領が発動した関税をめぐって、2回目の日米協議が現地時間の1日に行われます。議題の一つは「自動車」。突如、トランプ大統領は部品の関税負担を軽減すると発表しましたが、依然、アメリカ側は販売を妨げる「壁」があるとしています。
【写真を見る】「チャデモ」の充電規格はアメリカ車の販売を妨げる“非関税障壁”? トランプ政権の主張に赤沢大臣どう臨む
けさ、アメリカとの関税交渉に出発した赤沢経済再生担当大臣。
赤沢亮正 経済再生担当大臣
「今このときも、ある自動車メーカーのトップに話を聞くと、1時間に100万ドルずつ損をしていっている状況だと」
頭を悩ます自動車への25%の追加関税。しかし、当のトランプ氏本人が“救いの手”を差し伸べました。
アメリカ トランプ大統領
「素晴らしい仕事をしている人たちへのちょっとした支援となる」
トランプ大統領は、日本の会社を含むアメリカ国内で自動車を生産するメーカーに対する3.75%分の関税負担を免除すると、突如、発表しました。
しかし、貿易赤字を根拠にアメリカ側が一貫して主張しているのが、自動車の「非関税障壁」です。
都内在住のレイさん(29)。乗っているのはアメリカの電気自動車「テスラ」です。休日は愛車で出かけますが、長距離ドライブに欠かせないのが充電スポットです。
現在、テスラ専用の充電スポットは全国におよそ120か所。特に不便は感じていませんが、ただ、高速道路では条件が異なります。実際にパーキングエリアの急速充電スポットに行ってみると…
レイさん
「アダプターが必要」
取り出したのは“変換アダプター”。日本で普及しているのは「チャデモ」という規格。テスラ車に採用されているプラグとは仕様が異なるため、変換アダプターが必要なのです。さらにこんなデメリットも。
レイさん
「この機械みたいに150キロワットの早いタイプの充電器が増えているが、このアダプターは50キロワットが限界で、(150キロワットに)つないだとしても、アダプターのせいで50キロワットに下げられてしまうのが悲しい」
ユーザーの中には、わざわざ高速をおりて充電スポットに行く人もいます。
トランプ政権はこの「チャデモ」について、「時代遅れの技術に補助金が出ている」と非難。高速道路に「チャデモ」の充電器しかないことが、アメリカ車の販売を妨げる“非関税障壁”だと問題視しています。
一方、他の輸入車はどうしているのでしょうか?
フランス車のプジョー。本国では「チャデモ」以外の充電規格を採用していますが…
プジョー成城 綾部康介 店長
「日本向けの仕様では、チャデモに変換して持ってきている」
他のメーカーにも聞いたところ、ヨーロッパ車などは日本市場用には「チャデモ」規格に統一して販売しているといいます。世界は販売先の国の状況に合わせているのです。
プジョー成城 綾部康介 店長
「ユーザーの方が日本で充電をする時に困ってしまうというのでは、身も蓋もないといいますか、本末転倒」
現地時間1日に赤沢大臣が臨む予定の直接交渉。自動車の非関税障壁以外にも、大豆やトウモロコシといった農産物の輸入拡大などについても議論されるみられます。
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