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2回目の対米関税交渉へ…自動車めぐる関税以外の「壁」とは? 米・ウクライナが“鉱物資源協定”に合意 トランプ政権が譲歩か【news23】

海外
2025-05-02 12:20

トランプ関税をめぐり赤沢大臣がアメリカ側と2回目の交渉に臨みます。そこで議題にあがりそうなのが「関税以外の壁」。アメリカ側が自動車を販売するための妨げと指摘する“壁”とはどんなものなのでしょうか。その一方で、アメリカは、一度は決裂していたウクライナとの鉱物資源をめぐる協定では譲歩する姿勢を示し合意しました。


【写真でみる】ダブルハットのイーロン・マスク氏


「一緒に働けて光栄」イーロン・マスク氏 政権に“別れ”?

トランプ大統領
「イーロン、そのダブルハット似合っているよ」


トランプ政権の閣議に帽子を2つかぶって出席したのは、政府効率化省を率いるイーロン・マスク氏。


トランプ大統領
「君が望むなら好きなだけここに居ていい。どこかの時点で車(テスラ)と家族の元に帰りたいだろう」


イーロン・マスク氏
「素晴らしい内閣と一緒に働けて光栄でした。みなさんありがとう」


政権から離れることを示唆しました。


デモ隊
「イーロン・マスクは去れ」


自身の政治的発言への反発などから、CEOを務めるテスラの業績が大幅に低迷。マスク氏は今後、テスラの業務に多くの時間を割くと表明していました。


そのテスラなどのアメリカ車が日本で売れない理由として、トランプ氏が主張しているのが、関税以外の“壁”の存在です。


トランプ政権 日本のEV充電規格を問題視

都内在住のレイさんが乗っているのは、アメリカの電気自動車「テスラ」です。


現在、テスラ専用の充電スポットは全国におよそ130か所。特に不便は感じていませんが、高速道路では事情が異なります。


パーキングエリアの急速充電では…


テスラユーザー レイさん
「アダプターが必要なので…」


日本で普及しているのは「CHAdeMo」という規格。テスラ車に採用されているプラグとは仕様が異なるため、変換アダプターが必要なのです。


さらに…


テスラユーザー レイさん
「この機械みたいに150キロワットの早いタイプの充電器が増えてきているが、このアダプターは50キロワットが限界で(150キロワットに)つないだとしてもアダプターのせいで50キロワットに下げられてしまうのが悲しい」


トランプ政権は、このCHAdeMoについて「時代遅れの技術に補助金が出ている」と非難。高速道路にCHAdeMoの充電器しかないことが、アメリカ車の販売を妨げる“非関税障壁”だと問題視しています。


そのアメリカと、まもなく2回目の関税交渉に臨む赤沢大臣。ワシントンを訪問中の自民党の小野寺政調会長、小泉前選対委員長と対応方針について協議を行いました。


これに先立ち、トランプ大統領は交渉は「急いでいない」とした上で、アメリカが有利な立場にいると強調しました。


アメリカが譲歩? 米ウ“鉱物資源協定”で合意

一方、交渉を巡り、アメリカが譲歩の姿勢を見せたのが、ウクライナとの鉱物資源協定についてです。


ベッセント財務長官
「本日、アメリカ・ウクライナ復興投資基金を設置するという、歴史的な経済パートナーシップ協定に署名したと発表できることを嬉しく思う」


基金は両国が50%ずつ拠出し、ウクライナ国内にあるレアアースなどの鉱物資源の開発に投資するというもの。事業で得られた収益をウクライナの復興などに充てるとしています。


また、アメリカの拠出は金銭に限らず、新たな防空システムを提供する形などで行われることもあるとして、ウクライナ側はアメリカからの新たな軍事支援にも繋がるとしています。


一度は決裂していた鉱物資源を巡る交渉。トランプ氏は今年2月…


トランプ大統領
「私たちはウクライナから資金を回収するつもりだ。我々が求めるのはレアアースや石油、得られるものは何でもいい」


バイデン政権時代から続けてきた、これまでの軍事支援の見返りとして、鉱物資源の権益を求めていました。


しかし、今回の協定では過去の支援に対する返済を求めておらず、トランプ政権が譲歩したとみられています。ただ、ウクライナが求めている安全の保障については、今回の協定でも触れられていません。


専門家はアメリカの狙いについて…


筑波大学 東野篤子教授
「アメリカの長期的な利益、特に資源をめぐる利益を考えたときに、ウクライナとの鉱物資源合意を捨ててはいけないという判断がアメリカにあったと考えられる」


一方、ウクライナについては…


筑波大学 東野教授
「ウクライナに関して全てを投げ出すと言わんばかりの、これまでのトランプ政権の脅しが回避された可能性が高い。ただ、“どのような支援をどれくらいの額で”はおそらくアメリカのさじ加減によるところがまだ多い。トランプ大統領本人が(協定の)内容をどれだけ誠実に実施するのか未知数」


関税交渉の行方は?

小川彩佳キャスター:
就任100日を迎えたトランプ政権ですけれども、斎藤さんはどうご覧になっていますか。


東京大学 斎藤幸平准教授:
プーチンの戦争は終わらず、関税戦争も中国に負けつつあり、支持率も低迷し、GDPも3年ぶりに下がったとの情報がありました。その中で何とか成果が欲しいわけですけれども、そういうときにコメや自動車、基地負担とかで「日本くらいだったら言うこと聞かせられるんじゃないか」と思って圧力をかけてくるかもしれません。


安倍総理だったらヒョイヒョイ約束していたかもしれないですけれども、石破総理や赤沢大臣は、そうではないということを心から願っています。


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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・ 社会思想
ドイツ在住 著書『人新世の「資本論」』


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