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「再審」長期化を懸念…検察の「抗告」めぐり紛糾 “厳正な手続き”か“迅速な救済”か 制度どう変える?【Nスタ解説】

国内
2026-04-14 21:34

「えん罪の可能性がある」と認められた場合、刑事裁判をやり直す最終的な救済制度「再審」。


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「再審」に関する法律の改正案をめぐって、自民党内の会議で異論が相次ぎ、法務省が法案の修正を迫られる事態となっています。何が問題となっているのでしょうか?


「再審」制度 どう変える?大きな焦点は

井上貴博キャスター:
「えん罪の可能性がある」と認められた場合、裁判をやり直す制度=「再審」制度。この制度の内容をどう変えるかが今、大きな焦点になっています。


日本は「三審制」で、▼地裁、▼高裁、▼最高裁と3回審理するという制度になっています。


現在の再審制度では、審理後に受刑者などが地裁に再審を請求することができます。


地裁が再審を決定しても、検察は「抗告(=不服を申し立て)」ができます。検察が抗告した場合、審理は高裁にうつります。


高裁が再審を支持しても、検察は再び抗告(=不服を申し立て)でき、その後は最高裁で審理がされます。


最高裁で再審開始が決定されて、ようやく再審が始まるということです。


袴田巌さんのケース 再審決定から無罪確定まで10年

井上キャスター:
1966年の静岡県一家4人殺人事件で死刑判決を受け、その後、再審無罪となった袴田巌さんのケースではどのくらいかかったのでしょうか。


2014年:地裁が再審決定 →検察が抗告し、最高裁まで争う
2023年:再審開始
2024年:「無罪」判決


袴田さんは、逮捕から48年間も身柄を勾留されました。


また、静岡地裁が再審請求を認め、釈放された後も検察側は最高裁まで争い、最終的に無罪が確定するまで、釈放から約10年かかりました。


えん罪被害者の救済にかかる時間の長さが問題視されましたが、検察の抗告を認めるか、認めないかが最大のポイントなのでしょうか。


「厳正な手続き」か「迅速な救済」か 修正案どうなる

TBS報道局社会部 法務・検察担当 重松大輝 記者:
政府が出した原案では「検察の抗告権」が維持される方針だったため、自民党内や議連から「これでは審理の長期化が解消されない」「冤罪救済に逆行する」と強い異論が出ました。


現在、法務省は法案の修正を検討しています。


不服申し立てを全面的に禁止するのではなく、
▼検察側が不服申し立てを検討する際の留意点を明記したり
▼検察側の不服申し立て後の審理期間に制限を設けたりする案を検討しています。


そもそも、法務省が「検察の抗告権」を維持しようとする理由には、「厳正な手続き」を重視しているという点があります。


本来、刑事裁判は、▼地裁、▼高裁、▼最高裁の三審制のもとで3回審理して、厳正な判断が下されます。


もともと逮捕・起訴され最高裁まで争われて判決が確定した事案が、地裁の判断だけでやり直せることになれば、「三審制の重みが軽んじられるのではないか」「本来の刑事裁判とのバランスが崩れるのではないか」と法務省は主張しています。


法務省案に反対する議員は、再審請求をして再審開始が決まっても、それだけで無罪が決まるわけではないと主張しています。


その後に始まる「やり直しの裁判(再審)」でも地裁・高裁・最高裁と3回争い、有罪か無罪かが決まります。このやり直しの裁判でも、検察は改めて有罪立証することができます。


そのため、やり直しの裁判で慎重に審理すれば問題はなく、請求手続きの段階では「迅速な救済」を優先すべきだと主張しています。


「厳正な裁判手続き」を求める法務省側と、「迅速な救済」を求めて反対する議員側がせめぎあっている状況です。


抗告「全面禁止でなければ承認しない」という声も 溝埋まるか?

井上貴博キャスター:
法務省側の主張も理解はできますが、袴田さんのケースでは、無実にもかかわらず50年以上「死刑囚」と呼ばれ続けたわけですよね。


法務省側と議員側に溝があるので、話し合いを続けるということになるのでしょうか。


TBS報道局社会部 法務・検察担当 重松大輝 記者:
おそらく15日の自民党内の会議で、修正案が法務省側から出されると思います。


自民党の議員からは「抗告の全面禁止が盛り込まれない場合は、絶対に承認しない」という声も多く聞こえていて、溝が埋まるかどうかについては不透明な状態となっています。


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<プロフィール>
重松大輝
TBS報道局社会部 法務・検察担当
事件・事故の「その先」を取材


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