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国内で20万人超「オストメイト」って? パリのランウェイで「隠す」を、あえて「魅せる」試み 見えない障がいを想像してほしい…【news23】

国内
2026-11-06 13:40

芸術の都・パリで開かれたファッションショー。ランウェイを歩くのは、人工肛門をもつ「オストメイト」と呼ばれる人たちです。「隠すもの」医療用の装具を、「魅せるアート」へ。パリから始まった新たな挑戦です。


【写真で見る】ランウェイモデルのお腹に“袋” 「オストメイト」モデルたちのショーの様子


ランウェイモデルのお腹に“袋”「オストメイト」とは?

10月にフランス・パリで行われたファッションショー。西陣織などの日本の伝統工芸と近未来的なデザインを組み合わせたファッションをまとい、ランウェイを歩くモデルたちのお腹には、色鮮やかなデザインが施された袋が付いています。


この袋は人工肛門や人工膀胱から出た排泄物を受け止めるパウチです。


実はこのショー、ランウェイを歩いたモデル全員が人工肛門・膀胱を持つ「オストメイト」と呼ばれる人たちなのです。


ファッションショーの仕掛け人の一人である医師の矢野雷太さん。広島記念病院で大腸の外科手術や排便機能の診察を担当しています。


これまで病気や事故で人工肛門・膀胱を持つことになったオストメイトの患者と向き合ってきました。


20万人以上が「人工膀胱・肛門」 周囲からの理解を得にくい場面も

広島記念病院 矢野雷太 医師
「自分の体の構造が今までと変わる。今までの自分のイメージと違う自分にならなきゃいけなくなるので、そこはネガティブな感情が生まれるのは仕方がない。しかも排泄というテーマだと余計に尊厳に傷がついてしまうというか、隠して生きたいとなる方は多いだろうなと」


国内に20万人以上いるとされるオストメイトは、お腹に作られた人工肛門や膀胱にパウチをつけて中で排泄物を受け止め、たまった排泄物はトイレなどで処理をします。


広島記念病院 矢野医師
「袋の口を開き、開いている状態にして中身を出していく」


排泄物を流すためのシンクなどを備えた、オストメイト向けの専用トイレには画像のような案内マーク(ピクトグラム)がついています。


ただ、パウチは洋服の下に隠れているため、周囲からひと目でオストメイトだと分かりづらいのが実情です。


そのため、「待ち時間を避けるために優先トイレを使っている」と誤解され、舌打ちされるなど心ない態度を取られるケースもあるといいます。


広島記念病院 矢野医師
「詳しく知ってもらわなくても、そういう人たちと一緒に生活しているんだと。そうすると当事者が住みやすい環境になるんじゃないかな」


「もっと多くの人に知ってもらいたい」 ランウェイで“隠す”を“魅せる”に

もっと多くの人にオストメイトを知ってもらいたいという思いから、矢野さんが選んだ舞台がパリでした。


広島記念病院 矢野医師
「袋を付けて生活している人を見たことがある人が増えると、想像できる人が増えると思う。そのために1回思い切りめちゃくちゃかっこよく見せることが、ステップとして必要なんじゃないかなと」


ファッションショー当日、ランウェイを歩くのはオストメイトのモデル10人。


普段は服の下にしまっているパウチをあえて見せ、優雅に、そして堂々とランウェイを進みます。


オストメイトモデル
「オストメイトでもきらびやかに輝ける場があって、希望をこれからの時代に持てるようなショーだったんじゃないか」
「まだ知らない人たちがいっぱいいるから、1人でも多くの方に知っていただけたら嬉しいなと思う」


パリでの挑戦をどう“社会の変革”につなげていくか。11月3日、矢野さんの姿は都内にありました。


当事者たちの本音を聞き理解を深める

都内で開催されたシンポジウム「STOMA Néo-ART Symposium 2026」では、当事者のほか、オストメイトにまつわる作品に携わった俳優・井川遥さんや作家らが登壇し、率直な意見が交わされました。


オストメイト 中島小百合さん
「(人工肛門の)手術をしたての時、自分が情けないものになってしまった、自分が汚いもの、醜いものになってしまったという気持ちが強くて、精神的にもすごく落ち込んで」


“後ろめたさ”ゆえに、日常のあらゆる場面で自分自身にブレーキをかけてしまう現実。


オストメイトの小説を執筆 朝比奈秋さん
「銭湯とかでもオストメイトの方を見かけないんですよね」


オストメイト 中島さん
「入りたいけど入れないというか、隠れてるかもしれない」


オストメイトの小説を執筆 朝比奈さん
「社会が知らなさすぎてオストメイト側が自重しているわけですよね」


矢野さんは、より多くの人に「想像力を持って考えてほしい」と話します。


広島記念病院 矢野医師
「無意識に我慢していた自分の生きづらさだったり、他人の本当は言いたいけど我慢しているんじゃないかという生きづらさに気づくきっかけだったり。詳しくわからなくても、『何かできることがあったら言ってね』と言える人が増えてくれるんじゃないかと期待している」


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