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子どもに時間の使い方をどう教える? 元プロテニス選手・奈良くるみと”2分半”の真剣ラリー、「時育」が伝える“時間の価値”

国内
2026-11-01 13:32
子どもに時間の使い方をどう教える? 元プロテニス選手・奈良くるみと”2分半”の真剣ラリー、「時育」が伝える“時間の価値”
「時育(R)セイコーテニスアカデミーin東レPPO2026」に登場した奈良くるみ (C)oricon ME inc.
 「時育(R)セイコーテニスアカデミーin東レPPO2026」が10月31日、有明テニスの森公園にて行われ、13~18歳の女子中高生がレッスン生として参加した。まず元女子プロテニスプレーヤーで、大会アンバサダーを務める奈良くるみ、大会オペレーティングディレクターの西野栄によるスペシャルトークセッションが行われた。

【写真】女子中高生と白熱ラリー、強烈なフォアハンドを打つ奈良くるみ

■あと1ゲームの緊張にどう向き合う? “一球一球”に集中する切り替え術

 この日のトークテーマは「一球一球、一瞬一瞬を大切に」。最初に「試合の時、一球に集中するためにどのような切り替えをしていますか?」と聞かれた奈良は、「テニスは試合が長いスポーツなので、気持ちの切り替えがとても大事です。あと1ゲームで勝てる、あと1ゲームで負けるという時、みんな緊張しますよね。私はそういう時、先のことを考えると不安になってしまうので、常に”今”を大事にしていました。今この時間に何をすべきかを考えた方が、良いプレーができたので。皆さんも不安になったり、嫌な気持ちになることってあると思いますが、一瞬一瞬、目の前のことを頑張ることを実践してほしいと思います」

それを受けて西野は「本当にそうですね。最後のタイブレークとか『これを取ったら勝てる』と思った時点で、思うようにプレーができなくなることもあるので。とにかく一本一本積み重ねていって、『気づいたら勝ってた』というのがいいです」と同調した。

■「次の試合出たくない」も書いていい 奈良くるみを変えた日記の習慣

 テニスの練習や試合で頑張るだけでなく、プライベートも充実させて「メリハリをつける」ことが大事だという奈良。「やっぱり強くなる選手ってメリハリが上手なんですね。やる時はやる、だけど休む時は休む。やっぱり人間なので、ずっと気を張っているとしんどいですよね。練習など集中する時は集中するけど、楽しいことをしたり、休息を取ったりすることもすごく大事です。私は子どもの頃、家族と過ごす時間が楽しくて、すごくリフレッシュできました。なので練習にも前向きに入れていたと思います」。

 「何をして休むの?」と西野から聞かれると、「一日中パジャマを着て、テレビや漫画を見るのが大好き。家にいる時は、もう人に見せられないほど、ぐうたらしています(笑)。だけどテニスやトレーニングなど自分が頑張ることに関しては、すごく頑張ってこられたと思います」とメリハリの重要性を説いた。

 さらに「中高生の皆さんにお勧めする習慣」として「日記を書くこと」を勧めた。

「私が一番変わったのは日記を書くことでした。『次の試合出たくないな』とか正直な気持ちも書いたり。人間誰しもネガティブな気持ちを持ってしまうことはあるので、それを受け入れた上で、『じゃあ、今日の練習ではOOを頑張ってみよう』とか少し前向きに頑張れること一つ書いてみるとか。そうやって自分と向き合う時間を作ることは大切です。私はプロの時に『一瞬一瞬大切にしていこう』と考えられた時期がありましたが、そのきっかけが日記だったので、皆さんも日記をつけてみてほしいと思います」

■2分半の真剣ラリー、一人ひとりに声かけとアドバイス

 スペシャルトークセッションの後、奈良がコーチとなり、テニス教室が行われた。まず奈良がストローク、ボレー、サーブなど基本的なプレーのデモンストレーションを披露。その後、レッスン生一人ひとりと、2分半ずつのラリーを行った。
レッスン生にとっては、WTA世界ランキング32位の元プロ選手と直接打ち合える絶好の機会。この”一瞬一瞬”を大切に、持てる力を存分に発揮してラリーを続けた。奈良は1球1球ボールを打ちながら「いいよ」「ナイス」と元気に声をかける。そして2分半のラリーが終わると、気付いたことを本人に直接アドバイスし、ハイタッチで締めた。

 全員とのラリーを終えた奈良は、「2分半という短い時間でしたが、みんな一生懸命集中して、この2分半にかけてくれたことが伝わりました。そういう一瞬一瞬を頑張ることが、これから強くなっていくことに繋がっていきます。これから日々の練習でも『一瞬一瞬を大事に』を意識してほしいと思います。これから皆さんが成長する姿を楽しみにしているので、頑張っていきましょう」とエールを送った。

■テニスは「一瞬一瞬の判断」の積み重ね セイコーが“時育”に込める思い

 本アカデミーは、今年で開催40回目の記念を迎える、国内最高峰のテニスの国際大会「東レ パン パシフィック オープンテニス」のオフィシャルタイマーとして協賛するセイコーが取り組む「時育(R)」のスポーツ教室。「時育(R)」では「時を学び 未来をつくる」をコンセプトに、「時・時計」「スポーツ」「音楽」「環境」といったさまざまな分野の体験プログラムを提供していて、「スポーツ」では世界で活躍するアスリートと一緒に実技を交えて体を動かす楽しさを学ぶことができる。

 セイコーグループ コーポレートブランディング部・稲村彰映さんは、「時育(R)」アカデミーを開く理由について、次のように語っている。

「我々セイコーは長年『時』と向き合ってきた企業として、若者たちが『時』の大切さを学び、自ら考える力を育む次世代育成活動『時育(R)』に取り組んでいます。アスリートが積み重ねてきた長い努力の時間の一瞬一瞬を感じ取ってもらいながら、『時』の大切さを若い子たちに知ってもらいたいと思っています」(稲村さん/以下同)

 今回のテーマであるテニスは、「時」との関りが深いスポーツだという稲村さん。

「テニスは一瞬一瞬の判断がゲームを構成し、作っていくスポーツだと思います。長い試合の中で集中力を保ち、前のポイントから気持ちを切り替えて、次の1球に向かわなければなりません。そうしたテニスを通して、自分にとって大切な時間とは何か、そして未来に向けてその時間をどう使っていくのかを、子どもたちに考えてほしいと思います」

■時間の使い方に正解はない 挑戦する時間、見守る時間を大切に

 奈良とレッスン生とのラリーでは、セイコーのタイマーを使い、2分半と時間を区切って行われた。その意図とは?

「時計を見るだけでは、時間は数字として過ぎていきます。しかし実際にコートに立ってラリーをすると、同じ2分半でも濃密な時間になると思います。夢中になっている時間、集中している時間など『時間にはそれぞれ違った価値がある』ことを、身体を動かしながら感じてほしいと考えました」

 中高生とその保護者が一緒に参加する場で、「時育(R)」として一番持ち帰ってほしいのは、「時間の使い方に一つの正解はない。だからこそ、自分にとって大切な時間を考えてほしい」ということ。「競技を続けていれば、思うようにいかない時期、諦めそうになる時期もあると思います。そんな時に、今日聞いた言葉や体験を思い出して『もう一度やってみよう』と思えるきっかけになったらいいですね。これは参加する本人だけの話ではありません。挑戦する本人には『自分で考える時間』があり、ご家族にはそれを『見守る時間』がある。それぞれの時間を大切にしていただきたいと思います。

 最後に、今後の展望については「『時』と向き合ってきたセイコーだからこそ、正確な時間を届けるだけでなく、人が夢中になった時間、挑戦した時間、成長した瞬間の価値まで伝えていきたい。これからもテニスをはじめ、様々なスポーツを通じて、本物のアスリートや技術に触れ、子どもたちがワクワクしながら学べる機会を作っていきます。そして子どもたちの挑戦する時間に寄り添い、一人ひとりが自分らしい未来に向かう一歩を後押しできるブランドでありたいと思っています」と語った。

取材・文/水野幸則

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