お口から全身へ──きみえ歯科・中村喜美恵院長が実践する“健康寿命と健康美”のトータルケア
2025-09-30 12:00:46
「お口だけではなく全身の健康を考えたトータルケア」をコンセプトとして歯科治療やケアを行なうきみえ歯科。同院の中村喜美恵院長は患者一人ひとりに向き合い、歯科に加え、口腔から全身にアプローチすることの重要性を説く。その根底にあるのは患者の健康寿命の延伸と健康美の実現。全身にわたるトータルケアについて、中村院長にお話を伺った。

コンセプトの成り立ちは身近なきっかけから
当院では“全身はひとつながり”という考えのもと、健康長寿や健康美実現のため、口腔環境へのアプローチに注力しています。歯科の領域から全身に及ぶトータルケアに着目しはじめたのは、私の子どもの歯並びがきっかけでした。
舌の長さや動き、生まれ持った素質や遺伝などさまざまな要因が影響する歯並びですが、私は子どもの歯を抜かずに矯正できる方法はないかと模索していたのです。すると、嚙み合わせを育てることを主とし、非抜歯の矯正をしている先生がいることを知りました。そこで私は先生の方法を踏襲し、正しい食べ方や舌の正しい使い方を子どもに教えることにしました。特に舌は口の中の筋肉で非常に大きな役割を担うもの。
子どもには矯正用の針金をつけてもらった上で、唇や舌の適切な力で歯並びを広げていき、矯正を進めていきました。針金を使った矯正とは弱い力で歯を動かしていく方法です。つまり、歯が動きやすくなることはメリットであると同時に、悪い部分も出てしまうデメリットもあります。そのため、針金を付ける前に1年程かけて、噛む力や舌の力を計算しながら不必要な力を抜くトレーニングを子どもに施しました。
そのように取り組んだ結果、子どもの歯並びが改善されるだけでなく、顔の形が綺麗になっていったのです。正しい姿勢で正しい力の使い方をすれば、その人が持っている最も綺麗な顔の形になる。子どもの矯正から全身はつながっていることを学び、全身にわたるトータルケアの重要性を痛感したのです。
患者がセルフケアを行えるように情報共有

病気の予防は専門家こそ当然のように知っているものの、患者さまからすると意識しなければ実践できないこと。専門家にとって当たり前のことを、患者さまにどのようにして気づきを与えられるか、どのような伝え方が有効かということを日々意識しながら診療にあたっています。最も重要なことは、知ることで患者さま自身の得になるという姿勢です。例えば、膝に痛みがあれば病院に行くでしょう。しかし、医者が痛みを抱えている膝を完全に治すことは難しいのです。何故なら、膝が悪くなるような姿勢や歩き方を根本的に改善しなければ、対症療法に留まってしまうからです。そのため、当院では患者さまが診療室に入ってこられた時から、姿勢や体を正しく使うことの重要性をお話ししています。
どなたでも、年齢を重ねてもご自身の足で歩いていたいはず。一方で、体を正しく使うことが何故大切かを知らなければ、常に意識することは難しいでしょう。お口の中には患者さまの姿勢や歪み、癖が集約されていますので、根本的なアプローチを図らなければ、何度も症状は繰り返されてしまうのです。だからこそ、当院では健康寿命と健康美を理想とした、口腔からの根本的なアプローチを何より重視しているのです。話の糸口はしわやたるみなど、美容に関することからさまざまです。患者さまに「絶対に損はさせない」という心構えで、あらゆる角度から情報をお伝えしています。
過去の自分を超えていく心構えで診療にあたる
今後は、より一層メインテナンスや予防、適切なケアを行うメニューを充実させていきたいと考えています。患者さまにはメインテナンスに通っていただきながら、その度に有益な情報を提供していきたいです。予防の観点を患者さまに取り入れていただきながら、必要に応じて補修を行っていく。そのようにして患者さまのベストな状態を保っていけるように注力していきます。

患者さまのお口の中には、私が治療を施した作品があると考えています。治療終了後にメインテナンスを継続することで、患者さまには良い状態を10年、20年と保っていただき、必要になれば補修を行っていく。私自身はその時々のベストを尽くしますが、時を経ても「過去の自分に負けない、いい仕事をするぞ」という心構えで日々治療にあたっています。
そのようなモチベーションで診療してきた結果、患者さまの中には20年以上通ってくださる方や、最高齢では90代の方もいらっしゃいます。患者さまの状態を見させていただくことは、今でも常に背筋が伸びる気持ちです。大切なのは患者さまに絶対損はさせないという気持ち、そして専門家としての矜持を持ち続けること。今後も私や当院を頼りにきてくださる患者さまのため、誠心誠意診療にあたり、前進しつづけてまいります。

きみえ歯科
https://www.kimie-shika.com/
院長 中村喜美恵
1988年3月京都大学薬学部卒業後、「臨床を仕事にしたい」という想いから大阪大学歯学部に学士入学(専門課程編入)する。その後卒業。大阪大学歯学部の勤務を経て、2003年姫路市に「きみえ歯科」を開業し院長となる。また日本ホームヘルスコーチ協会認定ホームヘルスコーチとして、お口のメンテナンスはもちろんのこと、「健康に美しく!」をテーマにたるみ予防の指導や講演活動を精力的に行っている。
情報提供元: マガジンサミット