TENGAが20周年記念「松本光一展」を開催!性を誰もが楽しめる世界を作るために
2025-06-23 15:08:33

TENGAは6月20日から25日、東急プラザ原宿ハラカド3階のギャラリースペースにて、「松本光一展」を開催。初日には松本光一本人が登壇し、20周年を振り返り、TENGAのブランド展開や今後の展望を語った。
車の整備士時代は、物作りの喜びを感じていた松本氏だが、売上が振るわず、半年間給料が支払われなかったこともあったと振り返る。「順調ではないときに感じたことが、人生にとって大切であると思います」と言及。物作りの楽しさ、人の根源欲求を大切にすること、思いやりに気づき、この3つがTENGAのブランドの元になった。
松本氏は、TENGA誕生のきっかけを「今はないものを作って世界中の人に届けて喜んでもらいたいという気持ちが内側から湧いてきたから」と話す。社会でどんな商品が売られているかを知るために様々な店舗を巡る中、アダルトビデオショップに立ち寄った際、「本来尊重されるべき“性”が、卑猥なものとして扱われていると感じました。その時に性をもっとポジティブにすると誓いました」と述べた。

1年半働き、1000万貯めて自主制作をスタート。「ブランドを持ちたい」「デザインをカッコよくしたい」「お客様が安心できる問い合わせ窓口を整えたい」それらを叶えるために取り組んだ。だが、ゴールがない中、努力をするのは苦しく、1年半誰にも認められない、つらい状況だったと回顧。
その後、2年以上かけて行った研究を発表する機会に恵まれ、販売に向けた協力体制が整った。松本氏の熱意を受け取った金型屋が「あなたを信じます」と無償で制作をしてくれたことも商品化を加速させた。そして、2005年7月7日に5つのTENGAを発売。当時、5,000個売れればヒットといわれる中、100万個を販売した。現在は世界73の国と地域で発売、国内では24,000店舗で取り扱っている。「たくさんの社員に支えてもらって、たくさんの方に応援してもらったお陰で今ここに立っています」と感謝を述べた。

「性を表通りに誰もが楽しめるものに変えていく」という理念を掲げていた通り、当初から男性用、女性用、カップル用など誰もが楽しめるものを出したかったが、発売当時のスタッフは3人。松本氏が物流センターに納品している状況で、余裕はなかった。売上げが安定してきた5年後、女性だけのチームで女性思いの物作りをすることに決め、2013年3月3日irohaが誕生した。

現在では8つのブランドに拡大し、障害者施設やドッグカフェの運営、性の健康へのアプローチなどを通して、“役に立っている”“喜ばれている”といった実感を得られる活動にも取り組んでいる。「松本光一展」の会場と同建物の2階に2024年、TENGALANDがオープン。松本氏は「来場者の笑顔を見て、描いていたビジョンが実現したと感じました」と回顧した。
質疑応答では、業界のイメージについて「取り扱い店舗が増えたので変わってきていると思いますが、性を豊かにすることという新しいカテゴリーは世界中にできると思っています」と分析。今後の展開について聞かれると、「もちろん色々な商品を出していきますが、グループ全体でいうと世界でも日本と同じように認めてもらい、一般化したい」と締め括った。
情報提供元: マガジンサミット